事業開発の仮説検証を回すスピードが2.5倍加速し、経常利益率3%向上。メンバーの状態や進捗確認の打ち合わせ数が半分に。
株式会社HAKKA
事業内容
絵本作成サービスの企画・運営
設立
2019年
従業員数
11名
CEO 樋口 陽大
CEO 樋口 陽大 様

高校卒業後、光通信を経てOfferBoxを運営するi-plugなどスタートアップ3社にて新規事業の立ち上げを引率し、どん底の状況から黒字化まで責任者として導く。 現在は自ら創業した株式会社HAKKA と株式会社Rabbit Creativeにて経営に従事。

「マネージャーが重要だと思っているタスク」と「メンバーが重要だと感じるタスク」にズレがあり、問題が頻発している

──今日はよろしくお願いします。最初に御社の事業概要についてお聞きしてもよろしいでしょうか

各企業に存在する「理念」を基にした「体験価値」を創出して、ファン獲得の支援を行う「SHIKAKE」というBtoBのコンセプト/動画制作支援サービスと、誰でもオリジナルの絵本をつくれるサービス「KATARI」を展開している、HAKKA(ハッカ)という会社で代表を務めています。

──樋口さんの職務内容はどのようなものでしょうか

代表をやりながら、今は主に5人体制でのプロダクト開発していますがそのマネジメントと、顧客や絵本作家への営業活動を兼務しています。
他のメンバーは営業とマーケティングを兼務しています。

自社サービスを開発していることになりますが、何を作るかの仕様をまず決めて、アウトソーシングのデザイナーに投げる所まで、その後デザインが確定してからのプロダクトマネジメント全般を担務しています。

──ありがとうございます。経営も両輪とのことで、かなりのプレイングマネージャーですね。いま仕事されるうえで、特にマネジメント面で課題を感じていらっしゃるのはどのあたりになるのでしょうか。

完全フルリモートなので、チーム間のコミュニケーションに課題を感じています。
中でも「メンバーの日々の業務の進捗管理」には苦戦していますね。

まだ発展途上のサービスを開発している状態なので、日々のタスクが増えがちといった前提ではありますが、「マネージャーである私が認識している重要なタスク」と「メンバーが重要だと感じるタスク」にズレがあり、問題となるケースが頻発しています。

仕組みとして、業務の優先度が可視化されていないというのも一因ですが、上記の状態で更新されたタスクを登録したり優先度を記載する負荷が大きいため、「個人任せの優先度で業務を進めてもらう」マネジメントを行っていますが、手戻りや依頼内容と異なるアウトプットが生まれることがあります。

チームの癖として「重要性が低いが早く終わったり、緊急性が高いタスクのみ」に集中する傾向にあり、生産性が高まらず問題だと感じている


──なるほど。タスク管理ツールは使ってないんでしょうか?

使っています。
が、タスク管理ツールは、「登録することが仕事」といった感が出て個人的にはあまり好きではなく、メンバーの業務管理ではなく、各メンバーが「自分のtodoリスト管理」の目的で使っているので、弊社の状況だと他人のタスク状況を把握できる状態になっていないので、マネジメントには活用できない流れとなっています。

チームの文化として、早く終わらせるタスクに集中しがちな癖が全体的にあって、正確に言うと「重要度」が高いタスクにあまり取り組めていないことが課題としてあります。

我々はまだ事業が立ち上げ期のアーリーフェーズなので、なるはやでサービスの機能をリリースして検証して…というPDCAを回す必要がありますが、そこよりも「重要性が低いが早く終わったり、緊急性が高いタスク」に集中する傾向にあり、生産性が高まらず問題視していました。

メンバー間の「横のつながり」が弱くなりがちなリモートワークの中でCo:TEAMは部署を超えて、横のつながりを強くする


──Co:TEAMをHAKKA社でご導入いただいた経緯はどういったものだったのでしょうか

1つは日報を通じて、日々のコミュニケーションのきっかけをつくりたかったためです。 リモートワークだと雑談が失われるという話もありますが、失われたのは雑談ではなく、雑談の「きっかけ」だと思っています。

「上司 ↔ マネージャー」という「縦のつながり」は1on1などで強まりやすいですが、メンバー間の「横のつながり」が弱くなりがちなリモートワークの特性の中でCo:TEAMは部署を超えて、誰が何をやっているかがわかるサービスなので、横のつながりを強くするなと思ったためです。

2つ目は、フルリモートワークなので「メンバーのコンディション」が非常にわかりづらいのですが、そのあたりがわかるというところに魅力を感じたためです。

サービスを新しく立ち上げるときは、タスクが膨大にあったり、急な業務が発生したり、みんな無理をしがちなのですが、忙しくてケアに時間をさけないときなどにパッとメンバーの状態がわかる点が有用だと思ったためです。


──ありがとうございます。なお、Co:TEAMはチームの中のどのような方々がご利用されたのでしょうか

10人のメンバーで使いました。社内外のエンジニア4名とバックオフィス1名、営業4名、そして自分も含めた10名です。

──サービス導入時や運用でそれぞれ困ったことはありましたか?また、利用率を高める運用の工夫があれば教えて下さい

特になかったですが、強いて言うなら、日報のフォーマットを社内で共通化させるところが少し苦戦しましたが、O:のカスタマーサクセスの方が伴走してくれて、他社のフォーマットから最適な内容をご提示いただいたので、そちらに統一して活用しています。

また、利用率を高めるために、「日報を主軸にどこまでコミュニケーションできるようになるか」を意識して取り組むようにしています。例えば、誰かが日報を投稿した際、誰かが必ず返信するようにしています。日報を書いても、誰からも何のリアクションがない状態は辛いですが、弊社の場合、必ず誰かが返信をくれるので、書く内容に対してハードルが低くなり、かつ心理的安全性が高まった状態で投稿できる状態になっていますが、そのようなルール設定をしています。

「日報=管理的要素が強い、面倒なツール」ではなく「ナレッジシェア」ツールという風に捉えられ「サービスをやらされている」といった印象も現場にまったくなく、前向きに継続


──それは確かに日報が継続しやすい文化が生まれますね。ちなみに、樋口さん自身も日報を書かれるのでしょうか?

はい、自分も書きます。

書く際には2つ意識していまして、「自分の業務を振り返りできる」内容にすることと「他のメンバーが読んで価値がある」ことを重視していて、他のメンバーに自分のナレッジをシェアできるようにがんばっています。
他には、文章量を多くても100文字程度にするようにしていて、長くなってもあまり読んでもらえないので短く簡潔に、でも内容がそれなりに濃くなることを目指しています。

他に運用で気を遣っている点で言えば、1日の最後に、仕事が終わってなくても「チーム全員日報タイム」を設けていて、決まった時間にみんなで書くようにしています。

日報タイム終了後にすぐ他人の日報に対するコメントが発生し、全体的にコミュニケーションが促進されるようになりました。

──最初導入されるというお話をされたとき、チーム内のCo:TEAMの反応はどうでしたか?

そもそも社内に日報という文化がなかったので、チーム内で「面倒くさい」というネガティブな意見がありましたが、やってみるとすぐポジティブな意見に変わりました。
先程述べたように、他人の日報にツッコミを入れることに楽しみを感じている人がほとんどで、「やらされている」といった感じがまったくなく、前向きに今も継続しています。

最近だと「今日シェアしたいこと」みたいな項目を勝手につくって、なかなかおもしろい内容書く人も出てきていて私も良い傾向だなと感じていますが、Co:TEAMは「日報」といっても「これまでの管理的な要素が強い、面倒くさいツール」というより「ナレッジシェア」ツールという風に捉えられたことで、全体の運用がうまくいった印象です。

ただの日報ではなく、「日報がアップデートされた」サービスだととても強く感じました。

「次何やるのか」が毎日可視化され、「こっちのタスクを優先してほしい」とCo:TEAM上ですぐ対策アクションを取れるので、マネジメントが楽に


──ナレッジシェアという概念はおもしろいですね。そのためにフォーマットは工夫されているのでしょうか。


なるべく書く項目を減らすことが運用面で最も大事だと思っていて、

  • 今日1日の総括
  • 起きた問題の解決策
  • 何をやったか (Co:TEAM上でカレンダーで連携されて自動取得される内容)


の3つを書くようにしています。
これだけで私がマネジメントするうえでは充分だと考えています。


──「コミュニケーションの促進」「ナレッジシェア」が進むことで感じた具体的なメリットはなんでしょうか。


「各メンバーが事業観点でタスクを実行するようになった」という点が一番大きな変化だと考えています。

多忙になると、目の前のタスクを深く考えずこなすだけになりがちですが、Co:TEAM上で「次何やるのか」というタスクが事前に毎日見えるようになるので、 「それやるならこっちを優先してほしい」とCo:TEAM上で対策アクションを取れることでマネジメントが楽になりましたし、メンバーも重要なタスクをなるべく正確に把握する癖がつきました。

サービス/事業開発の仮説検証を回すスピードが2.5倍加速し、経常利益も3%改善 & メンバーの状態/進捗確認のMTG時間が半分に減少


──費用対効果はいかがだったでしょうか

事業やサービスの仮説検証を回すスピードが、体感/データ共に、見返しても約2.5倍早くなりました。
何よりすごいのが、経常利益率が約3%向上したことですが、仮にサービスの値段が10倍になっても全然元が取れるレベルです。

これはCo:TEAM以外の貢献要素もあるかと思いますが、私のマネジメント負荷が減った一方、メンバーの動き方が自律的になった点から「営業メンバーが新規の見込み客獲得状況をキャッチし、予実予測の精度があがった」ことと「コロナ禍で市況が変化する中、お客様からの新しい要望・不満情報をキャッチし、みんなに共有する楽しさが生まれてきて、重要な営業情報のチーム内共有がたくさん行われて、且つリードタイムも短縮された」点が大きく関係している印象です。
Co:TEAMが関わっているのは間違いないと感じている背景として、それまでは個人商店のような「属人的動き」を好む営業や開発メンバーばかりだったのが、サービス導入後に彼らの動きが徐々に変わっていったためです。

話していて思い出しましたが、開発はAsanaやJira、営業はCRMサービスを活用していますが、「結局目標を設定しても、その目標を毎回達成できないメンバー」が当初は数人いました。

私も忙しいので、育成やフォローにそこまで時間を割けない現実がありましたが、例えば営業メンバーには「Co:TEAMの中で『Salesforceに書いた数値目標達成するための行動目標』を立ててほしい」という話をして、そういった営業管理ツールや開発管理ツールでは見えてこない「売るため・早く開発するための必要な行動」を負荷少なめに把握できたことで、「あーやっぱり今まで見えてなかったけど、この部分の行動が弱いな」「やりきれていないな」といった事実がわかり、より具体的な改善アドバイスを出せるようになったことは有意義でした。

マネジメント負荷の話をすると、以前はメンバーの状態や進捗確認のMTGが非常に多くて大変だったのですが、その工数が半分に減りました。これはプレイングもしないといけないマネージャーの立場としてはかなり大きいです。

──課題だった部分に貢献できているようで幸いです。なお、Co:TEAMがマッチしそうな部署についてはいかが思われますでしょうか?

弊社においては先程述べたように、営業の売上貢献と開発チームの開発スピードアップそれぞれでメリットを感じましたが、特にリモートワークしているチームはかなり相性良いと思います。

あまり人数が少ないチームではなく、最低でも3名以上のチームが個人的にはマッチするかなと思いました。
業種問わず、タスクや進捗など、お互いが何やってるか、どういう状況かわかりづらいチームだと、かなり効果を感じられるのではないでしょうか。

──Co:TEAMでもっとできるようになってほしいことはありますか

そこまで大きな要望ではないですが、組織が増えていく中で全員のタスクを見ることは辛くなるので、ガントチャートなど縦組みで見れるようになると、プロジェクトマネジメント部分がより強化されるイメージがありますね。
他のマネジメントツールは先程述べた個人のtodo管理ツールしか使わなくなりましたので。

私個人として、Co:TEAMは先程の話に出た「楽しくメンバーが実施できるナレッジシェア」ツールとしての要素と、プロジェクトマネジメントで課題になりやすい「プロセスをマネジメントできる」ツールの要素が魅力的だと感じていますが、こちらはその後者の話です。

他に挙げるとすれば、日報のフォーマットが自社に最適かわからないので、最適かどうか判断してくれる仕組みがあれば非常にありがたいですね。

──Co:TEAMを今後どのように使っていきたいですか

ナレッジシェアサービスとして非常に有用なので、後になって「この問題はこうやって解決した」といった情報が貯まるので、後でみんながそういった情報をわざわざ誰かに聞かなくてもCo:TEAM上で検索して、自分の課題解決にむけてセルフマネジメントを強化できますので、自分自身のマネジメント工数も削減しつつ、みんなの成長につなげていきたいですね。

あとは、効果が見えづらいところかもしれませんが、チーム内のコミュニケーションのきっかけとなり続けているので、引き続き使い続けたいですね。

──貴重なご意見感謝いたします。樋口社長、本日はお忙しい中貴重なお時間をいただきありがとうございました。